毎日のように家族の間の事件がニュースになります。兄弟同士であったり、親子であったり、時には孫が祖父母を殺害するというような事件まで起こります。普段わたしたちは何気なく、この世の中で一番信頼し合って、暖かい関係は家族だと思っているところがありますね。しかし世の中の現実はそれほど理想的にはいきません。むしろそのような思い込みがかえって深い傷をお互いに与えてしまっているようにも思います。
 聖書はわたしたち人間は、生まれたままの自然な姿では利己的で自分の利益や自分の安泰のためには、他人を、たとえ家族であろうと踏みにじり、奪い取り、殺害さえしかねないものだということを示しています。その意味では聖書というのは、とても現実直視の観点に立っているといえるでしょう。
 よく聖書は人間の正しい生き方を説いているすばらしい言葉で満ちていると思い込んでいる人がいるようなのですが、決してそうではありません。むしろ醜い、目を背けたくなるような人間のドロドロとした汚い姿を読む者に突きつけているといった方が良いと思います。だからこそ、自分自身のそのような汚い姿に気がつけばこそ、そこからの救いを求める心が芽生えるのです。
 本当に信頼し合い、愛し合える家族は単に血族であるというだけで、自然にできあがるものではない、という現実に気がついていただきたいのです。自分でも気づかない利己心やねたみや傲慢に目覚めて神様の前に悔い改め、キリストによる新しい命をいただいて、「神の家族」となるのです。
聖書のキリストの言葉を聞いてみましょう。
    「ごらんなさい、ここにわたしの母、わたしの兄弟がいる。
     神のみこころを行う者はだれでも、わたしの兄弟、また姉妹、
     また母なのである。」    
                   (マルコによる福音書3章34-35節)
ここには血族の範囲を超えた「神の家族」があります。たとえ血を分けた家族であっても、「神の家族」として造りかええられなければ、争いと憎しみに満ちたこの世の地獄となることでしょう。本当の家族になって、家庭が文句なしに、一番平安で楽しいものとなりますように。
                                                   木場深川教会では、あなたの来会をお待ちしています。
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