10月の終わりから11月にかけて、東京聖書学院という神学校で信徒の方々を対象にした「信徒コース」という講座を3回受け持っています。一週おきに土曜日の午前中9時20分から12時までするのですが、何年か振りで担当することになり「マルティン・ルターの生涯と信仰」というテーマでしています。
格別ルターの専門家というわけではありませんが、以前から著作集を集めたり、関連した書物を読んだり、講演を聴いたりして絶えず意識してきた宗教改革者ですから、自分にとっての楽しみでもあります。心がけているのは信徒の方々が対象なのでと、内容を大まかな簡単なものにしないことです。これは子供を教えるときにも共通することですが、内容は可能な限りアップデートで本格的なことであること、そして伝え方はやさしくわかりやすいことです。
本当のおもしろさは真剣に取り組むところから生まれてきますから、この講座を一番楽しんでいるのはわたし自身かも知れません。そして信徒の方にもできるだけ本物に触れてほしいと思い、例の95箇条の提題の原文をコピーしたり、ルターの大学での講義ノートの1ページをコピーしてお渡ししたりして、少しでもルターに近づこうとしています(みなラテン語ですが)。信仰英雄伝を100回聴くよりも、ルターが聖書に真剣に取り組んで、ノミのような小さな字で克明に書き記した講義の準備ノートを手にとって見る方がはるかにルターに近づけるのではと思うのです。
そのようなことは聖書についても同じことが言えます。人の話ではなく、聖書についてあれこれ書いている本でもなく、聖書そのものに触れ、自分で読んでみることが一番いいのです。聖書は難しい研究論文や哲学書ではありません。古代ではありますが、一般民衆、それこそ人間扱いされなかった奴隷たちでも読んだり、読んで聴かせられて分かるように書かれています。
では、その聖書についての聖書の言葉を読んでみましょう。
聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって、
人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益である。
(テモテへの第二の手紙3章16節)
とは言え、2000年以上前のパレスチナやギリシャで書かれたものですから、よく分からない箇所があるのは当然です。教会の牧師はそのために専門教育を受けていますから、是非教会にお出かけ下さい。
木場深川教会では、あなたの来会をお待ちしています。
日曜日午前10時30分からの礼拝にはどなたでも出席することが出来ます。