近年、トマ・ピケティというフランスの経済学者の著書『21世紀の資本』が話題になりましたが、資本主義の飽くなき成長という暴走に歯止めをかけなければならないと、警鐘を鳴らしています。このまま暴走を許すと、一部の個人や国に富は集中して格差は広がり、その不満や怒りが、国際社会においては今日もっとも恐れられているテロとなって現われ、一国家においては強盗、殺人などの凶悪犯罪を生むことになります。

 どうすればいいのか?社会に歪みを生じさせないように、資本主義のルールを変革するというのです。それは、世界経済が安定していれば、低成長やマイナス成長でもよい。経済を安定させ、富を一部に集中させず拡散のためのルール作りというのです。今日において、政府は「アベノミクス」という旗をかかげて、日本は今もって、物質的繁栄の飽くなき追求をしています。マイナス経済成長では日本の未来はないと、国の指導者はじめ、国民は、そう思い込んでいるのではないでしょうか。そのために原発は捨てがたく、私たちの安全な生活環境は今日も危機に晒されているのです。

 さらに、物質的豊かさの追求は人心を荒廃させて行きます。そうした時代にあって、物質的欲求を満たすことだけが人間の幸せではないことを、教会は、聖書から世に向かって発信して行かなくてはならないと痛感しています。そこで、来る日曜日の10時半からの礼拝では、箴言30章から、物やお金に依らない、神にある真の人の幸いについて語りたいと思います。皆様のおいでをお待ちしております。

聖書の言葉  わたしは二つのことをあなたに求めます、わたしの死なないうちに、これをかなえてください。うそ、偽りをわたしから遠ざけ、貧しくもなく、また富みもせず、ただなくてならぬ食物でわたしを養ってください。飽き足りて、あなたを知らないといい、「主とはだれか」と言うことのないため、また貧しくて盗みをし、わたしの神の名を汚すことのないためです。 箴言30:7-9